読者の海外風俗体験記

第1172回 いきり立ったが吉日・2006 ~帰郷~(五日目) by ECE


酒と泪と男と女

 目を覚ました時は何時頃だったか、全く解らない程前後不覚になっていた。完全な二日酔いだ。いや、この旅が始まってからこんな感じだから五日酔いと言ってもいいほどだ。かなりダルい。ベッドから出るのが一苦労だ。何とか這いずるように、時計を見るとまだ昼前だった。チコはもう既にプールにいるらしい。その体力が本当に羨ましい。さっきまで、ゲロを吐いてたくせに。

実は小生は肝臓を少し悪くしてしまっているんだよ。健康診断を受ければ必ず再検査さ。何度、検査したって変わらないのにさ。一般の成人男性の肝機能を示す正常な数値としてγ―GTPが0~30のところ、小生のγ―GTPは400を超えていたのだ。ちなにみチコの数値は正常値の範囲内だ。しかも、一度痛めてしまった肝臓を治療するのに特効薬なんてものは無い。アルコールを控えて、安静な状態をただただ継続しなければならないのだ。

いくらウコン等を摂取したからといって劇的な変化があるわけではない。摂取しないよりかはマシ。と言った程度なのだ。人間の肝臓一つぶんの働きを現代科学の機械でまかなおうとすると、フラットに並べて東京都ひとつぶんの面積がいるそうだ。そんなものを小生は時間をかけて、ネジ一つ、ボルト一つを緩め、故障させてきたわけだ。せっかく、親が五体満足な状態で産んでくれたのにも関わらず、ちゃちな喧嘩をして骨を折ったり、肝臓を悪くさせてきたことに関しては申し訳なく思っている。

 今日も別に頭痛や吐き気があるわけではない。ただただ全身がダルいのだ。これは肝臓を悪くした人間にしか解らない苦痛である。普段、仕事がある平日でも飲みすぎると、翌日はこうなる。瞬間的にγ―GTPが上がっているのだろう。当然、朝起きれなくて、午後出社となったり、欠勤となったりするが、γ―GTPが正常な人間には言い訳がつかない一種の病気なんだ。テメェーが悪いと言われてしまえば、それまでだが、解らない人には解ってもらえないインフルエンザとは違ったタチの悪いモノなのだ。

みんなだって肝臓には十分気をつけた方がいいぜ。解らない人には決して理由がつかない病気のようなもんなんだから。  さて、這いつくばってプールに行った。チコが泳いでいる。羨ましい。小生は二足歩行がやっとの状態で辿り着くと、ただひたすら横になってチコのスイミングを見ていた。

 プールからあがっても、ダルさは消えない。チコは酒飲みの常備薬として「ヘパリーゼ」を小生に飲むように勧めてくれた。それに「キューピーコーワゴールド」や「アリナミン」なんかも一度に大量に摂取したが、即効性はない。とりあえず、何かしらメシでも口にしないと回復は難しい。二足歩行がやっとの状態でチコと小生はロビンソンにあるタイスキ屋まで到着し、肉や魚や野菜がどっさり入った鍋を囲んだが、食が進まない。

 本当に薬のつもりで数口を運ぶと、それが限界だった。チコはバクバク食べている。本当に羨ましい奴だ。精もついた所で、チコがラチャダーのお風呂屋さんに行かないかと言ってきた。今回はチコも小生も全然ヌイてないからね。きっとチコの睾丸もゴロゴロしていたんだろう。当然、小生は五日酔いでそんな体力ないから、ラチャダーのどこかで古式按摩をしてもらうつもりでタクシーを走らせた。  

こういう時に限っていつも頭のネジが緩んでいるか、しめ過ぎちゃったような奴の車を拾うことが多い。このタクシードライバーはお手製のタイの歌謡曲をオリジナルで作ったようなカセットテープを大音量でかけながら、これまた大声で熱唱していた。五日酔いには少し厳しいタクシーだった。イライラしていた小生の我慢が限界に達する直前にラチャダーへと止まった。チコは風呂屋をはしごして、女の子を吟味していたが、小生は本当に古式按摩で十分だったんだよ。ヌキたいチコと身体を休めたい小生。ここは、一度別れて、チコはお風呂屋さんへ。小生はナタリーの古式按摩の方へ歩を進めた。お互いに二時間。また、この場所で会おう。

 小生は古式按摩といえども、ついついカワイイ娘を選んでしまう。到底、本番なんてできる状態じゃなかったのだが。  選んだ娘は本当にカワイイ。按摩も気持ちいい。まだ、身体は十分にダルかったが、「ヘパリーゼ」が効いてきたのか、昼飯を食った効果なのか解らないが、いつの間にか、愚息だけは元気いっぱいの高校球児のようだった。これにはハンカチ王子だって真っ青さ。

 按摩も終盤にさしかかる頃には、この娘のオッパメたい欲求に勝てないでいた。それを察した彼女は本番するかと聞いてきた。会社でもタチの悪いオヤジ、ちょい不良オヤジと言われてきた小生の愚息は、この時ばかりは聞き分けのよい子供のように彼女の誘いを真摯に受け止めた。

 裸になった彼女に余計な愛撫は必要なかった。ここはマッサージ屋だ。すばやくコトを済ませてお金を支払うシステムだ。恋人同士やゴーゴーバーのような擬似恋愛とも違う。お互いがプロなのだ。無駄を省いた小生は直ぐに愚息を彼女の体内に滑り込ませると、刹那という単位で溜まっていたモノを吐き出した。それは足腰がフニャフニャになるような、おセックスであった。マッサージ代400バーツ、本番1500バーツ、ママへのチップ100バーツ合計2000バーツで大満足の一発であった。日本代表選手として最終日にいい仕事しましたわ。

 店を出るとチコが暇そうに生垣に腰をおろして小生を待っていた。随分と手持ち無沙汰な感じだ。小生、時間間違えた?慌ててチコのもとに駆け寄ると、二時間コースのお風呂遊びだったが、ヤルことだけやって一時間で店を出てしまったらしい。小生を一時間も待っていたんだよ。悪いことしたね。二人でタクシーを拾って、ナナホテルに戻ることにしたよ。もう、この時には五日酔いもだいぶ樂になっていたしね。更には二日酔いでも、五日酔いでも一番効くのは迎え酒だ。これで一発で治る。

 一度、ホテルに戻った我々だったが、この旅最後の夜を満喫しようと五日連続でナナプラザへと向かった。と言っても、通り一つ渡るだけなんだけどね。そして、お世話になった人達への別れの挨拶周りをしなきゃならんのだよ。義理を欠いたら、お終いよ。まずはオープンバーのアリバイからだ。そういえば、このアリバイのウエトレス達とは今夜、五時に集合してタイスキを食べに行く約束になっていた。気がついて時計を見ると、バンコクは夜の七時。

ウエイトレス達は怒ったような、飽きれた表情をしながら、「アナタはアリバイで一番カネを使う客であり、一番ウソをつく客」だと言っていた。そんなもん慣れっこよ。「おれ~はこの世で一番、無責任と言われた男」ってね。植木等だってきっと認めてくれるよ。

ただ、ウエイトレス達に今夜未明の飛行機で日本に帰らなきゃいけないと、告げると、まるで癌患者がそれを宣告させたように、「じゃあ、次はいつ来るんだ」と問い詰めてきた。「多分、一年後だ」小生は日本でサラリーマンをやっている。そんなに自由に休みが取れる訳じゃないんだ、と彼女達にではなく、自分に言い聞かせるように語っていた。心の中では無理すれば来れないこともないじゃんと解っていながらも、なぜか自分自身に言い聞かせるように、「これは一年に一度だけやってくる夏祭りのようなものなんだ」と。

 きっと日々のストレスがあるからこんなにも楽しめるのだろう。バンコクに移り住みたいと思ったことは、当然何回もあった。しかし、毎日がバンコクであり、ナナプラザだったら来ないと思う。一年に一日だけ熱く燃ゆる夏祭なんだと、何度も自分を戒め、今年に至った。小生は所詮、日本のサラリーマンなんだ。  続いては、もう四年連続でお世話になっているG-SPOTへの挨拶だ。ただね、小生はもう本当に金が尽きてきたのだ。

せっかくの最終日だっていうのにG-SPOTのママや支配人やオーナーを満足させられるだけの手持ちが乏しかったのだ。まだまだキャッシングすれば何とかなると思っていたが、3000バーツをキャッシングしようと思ったら、限度額を超えていた。瞬間にして酔いが覚めた小生は今度は2000バーツキャッシングしてみたら、それもダメだった。日焼けした顔がますます青くなる。恐る恐る1000バーツボタンを押すと何とか出てきた。

その後、500バーツのボタンを押してみたが拒否された。段段と敷居を下げていき、最後の300バーツがATMから出てきたところで打ち止めとなった。つまり結局小生がキャッシングできたのは僅か1300バーツだけだった。本当に王様の身代金くらい使っちまったんだな。しかも5、6人くらい解放できるくらいのね。そりゃ、主任だって社長って呼ばれるよ。せっかく最後の夜なんだし、ここでケチってもしょうがないし、何より財布を気にしながら遊ぶってのが一番嫌いなんだな。なんか人間が小さくなったみたいでね。そこでチコに5000バーツを借りることにしたよ。

これで再び気が大きくなった小生はG-SPOTでヤリたい放題ヤッてやった。どうせ、明朝6時の飛行機で帰国しなきゃいけないんだから、宵越しの銭を持っててもしょうがない。1バーツ残らずに遊び倒してやったよ。そしたらもう、ヘベレケだよ。泥酔だ。でも、楽しくて楽しくてしょうがなかったよ。なのに数時間後には飛行機の中か。歳をとって涙腺が緩んできている小生は、チコが席を外した際に号泣してしまった。もう嗚咽をしながら涙が止まらない。

ベロベロで楽しくて、悲しくて、別れが辛くて。何が何だか分からない感情を抑えきれずにとにかく大粒の涙を流していると、この5日間ずっと小生の面倒をみてきてくれていたウエイトレス達が取り囲み、必死に慰めてくれた。別にもう二度と会えないわけじゃないじゃないかと。またいつでも遊びにおいでと。気を利かせたDJもそれに気づくと、小生の好きな曲をメドレーで回してくれた。泣いてる場合じゃないだろ。最後の夜を楽しもうよと。みんなありがとう。「サワディー カップ」

 小生は笑顔を取り戻し、とにかく酒を煽って踊って笑った。チコと小生は必ず来年も来ると言って、今回最後のG-SPOTを後にした。また奥の方からママや支配人がでてきたけどね。今日も店の売り上げを折れ線グラフにしたら紙からはみ出るだろうから、付け足しておけよ。と捨てゼリフを吐いて、出てきたよ。  さて、チコとナナプラザ内の屋台でバーミーを食べると、後は自由行動にした。午前3時にホテルのロビーで待ち合わせることにして。

 小生は最後のお別れにとレインボー4へと向かった。あのエビちゃん巻きの娘にどうしても挨拶したかったのさ。ただ、いくら店の中を徘徊しても見つからない。それを見かねたガイちゃんがテーブルに来てくれて、エビちゃんの行方を店の方に確認してくれたのだが残念、彼女はすでに他の客にペイバーされてしまったとのことだ。別れの挨拶くらいしたかったよ。世話になったからね。

 この時、小生はもうベロベロで酒が入る余地もあまり無かったし、もうおねむになっていたのだ。ただ、ここでホテルに戻って3時間だけ寝るなんて器用なことは到底出来そうになかった。なんせ、去年は寝坊して飛行機に乗り遅れていた前科があったからね。ここはひとつ、目覚まし時計代わりに女一人をペイバーすることにした。目覚まし時計の絶対条件は、もし小生が寝てしまったら絶対に午前3時に起こしてくれること。その次に容姿端麗であることだ。

この条件を満たしそうな女を捜しに再び、店内を徘徊した。本当に3時に起こしてくれるか、どうかは結果が出るまで分からない。実際、昨年の女だって一緒に朝までグーグー寝ていたのだから。なのでまず、容姿端麗な条件から目覚まし時計を探した。店内を2周くらいしたところで、一人の女に目ぼしをつけた。

そしてその女を呼ぶと、事情を説明した。お前は絶対に寝てはならないと。小生はもうEDだし、本番はしない。その代わりに午前3時に起こしてくれたら2000バーツやると。女は珍しそうな顔をしながら、これに了承すると着替えにいった。

 二人でナナホテルに戻ると、女をほっといて荷造りを始めた。もうベロベロで完全に眠かったが、荷造りが一段落すると、その目覚まし時計が気になり始めた。だって本当にカワイイのだ。もうEDで性行為は成功しそうになかったが、とりあえず、その娘を裸にしてみた。

胸は小ぶりだが、くびれたウエストと長い手足はスタイル抜群だ。とりあえず、挿入するつもりはなかったが、その滑らかな人肌を堪能する為抱きしめてみた。素直に気分がいい。

それはまるで母親の胎内にいた頃を思いださせてくれた。この世に生を受けて30年。小生はまるで赤ん坊になったように、彼女の腕の中で深い眠りへと引き込まれていった。

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